昭和三十年代の丁寧な再現
北名古屋市歴史民族資料館、いわゆる昭和日常博物館の
名物学芸員、市橋芳則氏の著作である。
昭和レトロがブームである。
しかし本書の内容は、珍しいもの・高価で取引されるものを
集めていこうとするマニアやコレクターの視点と違い、
その時代を丁寧に再現しようとする緻密さにあふれている。
昭和三十年代後半に生まれた氏が、
昭和三十年代を懐かしむという構図は不思議ではあるが
これだけ丁寧な仕事をされると頭が下がる。
懐かしいアノ頃にタイムスリップ
愛知県の師勝町歴史民俗資料館の学芸員である市橋芳則さんが、同資料館で昭和30年代の駄菓子屋、理髪店、食料品店、自転車店等を、実物資料を用いて再現されたものがこの本の中で紹介されています。昭和の暮らしの道具が掲載されていますので、当方のようにその時代を生きた者だけでなく、知らない世代にも当時の生活ぶりがよく分かります。本当に時計の針が昭和30年代に舞い戻ったようです。皆さんにも同様の経験があると思いますが、あの当時の駄菓子屋さんってとても魅力的でしたね。今からみれば大した商品ではないのに妙に気にかかり、子供達が10円玉を握りしめて買いにいったあの興奮が思いだされます。パラダイスでしたね。 この時代を知る私にとって懐かしい思い出が蘇るような本でした。まして、商店街で育ち、日常の生活の中で「10円玉で買えたもの」が数多く存在していたのを知っている者にとって、子供の頃の生活をそのままの写真で見ることが出来、値段の変遷もよく分かりますので、どのページをあけても当時の思い出が再現されるような本でした。 『キャラメルの値段』に象徴されますが、モノのありがたみ、お金の値打ち、生活の利便性へのあこがれ、それらすべてが当時の生活に息づいていました。
昭和30年代にタイムスリップしてください
愛知県の師勝町歴史民俗資料館の学芸員である市橋芳則さんが、同資料館で昭和30年代の駄菓子屋、理髪店、食料品店、自転車店等を、実物資料を用いて再現されたものがこの本の中で紹介されています。 昭和の暮らしの道具が掲載されていますので、当方のようにその時代を生きた者だけでなく、知らない世代にも当時の生活ぶりがよく分かります。本当に時計の針が昭和30年代に舞い戻ったようです。 昭和29年生まれの当方には、懐かしい思い出が蘇るような本でした。まして、商店街で育ち、日常の生活の中で「10円玉で買えたもの」が数多く存在していたのを知っている者にとって、子供の頃の生活をそのままの写真で見ることが出来、値段の変遷もよく分かりますので、どのページをあけても当時の思い出が再現されるような本でした。 皆さんにも同様の経験があると思いますが、あの当時の駄菓子屋さんってとても魅力的でしたね。今からみれば大した商品ではないのに妙に気にかかり、子供達が10円玉を握りしめて買いにいったあの興奮が思いだされます。パラダイスでしたね。 当方の生まれ育った商店街ではコロッケが5円で買えました。たこ焼きは、10円あれば6個買えました。アイスキャンデーも5円で買えました。1枚1円のおせんべいもありました。銭湯の体重計は貫表示併記でしたし、お肉も匁で売っていました。卵はおがくずの上に飾られ1個から購入できましたね。 『キャラメルの値段』に象徴されますが、モノのありがたみ、お金の値打ち、生活の利便性へのあこがれ、それらすべてが当時の生活に息づいていました。 飽食の時代といわれて久しくなっています。コンビニの出現で24時間、モノを購入できるようになりました。子供達は、「キャラメル」にありがたみを感じません。まして、遠足のおやつに「キャラメル」が入っていた時のあの嬉しさを理解できなくなっています。 あの時代から半世紀近く経ちました。日本人の生活は確かに豊かになりましたが、当時より本当に幸せになったのでしょうかね。
河出書房新社
昭和路地裏大博覧会 (らんぷの本) 昭和こども図鑑―20年代、30年代、40年代の昭和こども誌 昭和 台所なつかし図鑑 (コロナ・ブックス) 昭和生活なつかし図鑑 (コロナ・ブックス (60)) 昭和のくらし博物館 (らんぷの本)
|